樹木葬は実際に選ばれているのか?データから検証
樹木葬についてです。
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木などをシンボルとして作られたお墓のことを指します。
山中に遺骨を埋葬して、その上に木を植える埋葬方法は昔からおこなわれていましたが、
近年の少子高齢化やお墓の承継者がいない事など、従来のお墓を管理していく事が困難になりつつある時代に需要が拡大していくようになりました。
埋葬した上に桜の木を植えたり、
ガーデニング型の花が植えられていたりなど色んな形態があります。
また、遺骨を合祀するタイプから個別埋葬のところまで様々です。
樹木葬って本当に人気があるの?
メディアでは樹木葬について取り上げられることも多いけれど、実際選ばれているの?
鎌倉新書にて消費者アンケートによる墓地選びの調査結果が以下のとおり出ています。
【第9回】お墓の消費者全国実態調査(2017年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向 | 霊園・墓地のことなら「いいお墓」
どのタイプのお墓を購入しましたか?
参照)鎌倉新書お墓の消費者全国実態調査
従来型のお墓の購入が約半数を占めており、2人に1人が一般墓を選択していることになります。
世間では墓石を持たないお墓が流行ってるとはいえ、依然として安定志向であることが伺えます。
逆に言えば2人に1人が永代供養を選択できる時代ともなっているようです。
樹木葬の購入にいくらかかりましたか?
参照)鎌倉新書お墓の消費者全国実態調査
樹木葬の購入にかかった費用は40万円~60万円が最多の33.3%、
次いで60万円~80万円が23.1%です。
平均して70.9万円という結果になりました。
一方、従来型の一般墓を建てる場合にかかる全国平均の金額は174万円程のため、
一般墓よりも100万円程費用が安くなる傾向にあります。
樹木葬契約のトラブル
で、樹木葬って実際どうよ?といったところですが、
こちらは肌感覚で申し訳ないのですが、実際購入した後の意見を聞いていると、
満足度は高いようでした。
後悔している人の声としては、
「一度納骨したら、遺骨を返してもらえなかった」
「購入後に親族に反対された」
という声があります。
遺骨を返してもらえなかったケースは、樹木葬が合祀のところが多い点があげられます。
樹木葬に納骨すると、即座に、またはある一定期間後に、他の人の遺骨と混ぜて納骨されてしまうので、後々やっぱり遺骨返してもらいたいとなっても、返還が難しいとされています。
もちろん場所によって個別埋葬のところもあったり、返還可能なところもあるので、
気になるようであれば契約前に確認してみてください。
また、購入後に親族に反対されたケースは、購入前に家族間で話し合いが密に取り交わされていなかったことが原因ですね。
こちらは樹木葬に限らず、他のタイプのお墓でもよく聞くトラブルです。
樹木葬でも一般墓でも、購入する前の話し合いは不可欠です。
十分に話し合って納得したうえで契約してください。
樹木葬の取り扱いがある霊園の種類
樹木葬も、一般のお墓と同様に大きく分けて3種類の場所で購入できます。
- 公営霊園(国が運営している霊園)
- 民間霊園(国以外の、宗教法人・公益法人など)
- 寺院墓地(宗教法人)
以下はそれぞれのメリット・デメリットです。
これは樹木葬だけでなく、一般墓の場合も同様です。
公営霊園
メリット
- 国が運営している安心感
- 宗教自由
- 指定石材店制度がないので自由に石材店を選べる
デメリット
- 申し込み条件や資格制限が厳しい
- 倍率が高く抽選だったり、募集が不定期だったりする
- 民間や寺院墓地に比べて充実したサービス(会食スペース・設備)がない
民間霊園
メリット
- 施設やサービスが充実している
- 墓地のデザインが自由なところが多い
- 今人気のペットと入れるお墓があるところも
デメリット
- 金額が高いことが多い
- 宗旨宗派不問でも実は在来仏教のみなど制限がある場合が多い
- 指定石材店制度があり、好きな石材店を選べない
寺院墓地
メリット
- アクセスがいいところが多い
- 埋葬後も手厚い供養があり、仏事をお寺で相談したり執り行ってもらうことができる
- 寺院の施設を利用できる
デメリット
- 宗旨宗派を改宗しなくてはいけないところもある
- 檀家になる必要がある場合もある
- 指定石材店制度がある場合が多い
それぞれの特徴を踏まえたうえで最適な墓地を探してくださいね(^^)
生前に「実家の墓に入れてくれ」と言っていても入れないことは多々ありますというお話。
生前に、「実家のお墓に入れてくれ」と言っていても、
入れないことは多々ありますというお話。
「俺も腹水が溜まってきて、もうまもなくお迎えだろう。
死んだ後のことだが、知り合いの住職がいるから、そこで葬儀をお願いしてくれ。
場所はここ。生前の戒名も既に貰ってある。
お墓は、地方の実家の墓に入れてほしいと兄に言ってある。
兄に頼んで、そこに納骨してくれ。
そして俺が死んでも気にするな。いい人を見つけて幸せに暮らせ。」
男性はガンにかかり長らく闘病生活を続けていました。
余生を妻と心穏やかに過ごすも、50代で他界。
ノートに書き残すことはしていなかったものの、彼なりに終活をすすめて、
妻に迷惑が掛からないように準備をしてきました。
男性の言った通りに、生前にお世話になっていたお寺で葬儀をあげ、
その後、男性の兄に、実家のお墓へ納骨させてもらうよう依頼しました。
しかし、結局男性は実家のお墓には入れなかったのです。
理由は、実家のお墓の名義人である兄と、お墓を管理しているお寺が
OKを出さなかったからです。
そもそも、お墓に納骨できるかどうかの判断ですが、
- お墓の名義人(親族など)
- 墓所の管理人(霊園管理者やお寺の住職など)
この2人が、「入ってもいいよ!」と言ってくれれば、お墓に入れます。
名字が違うけれど入れるか?というご心配も、この2人がOKといえば
名字が違う場合でも入ることができます。
逆に血が濃くても名義人が「一緒に入りたくない!」といえば一緒に入れません。
で、この男性の場合ですが。
お墓の名義人とお墓の管理人両方からのNGでした。
まずお兄さんが断った理由は、単に一緒に弟とお墓に入りたくなかったのでしょう。
そしてお墓の管理人であるお寺が断った理由はですね。
うちで葬儀をあげてないし、
既に他宗派の戒名がついているから
です。
他宗派の戒名がついてしまっている仏様は、その実家のお寺の墓地には納骨できないということでした。
これはお寺によって様々で、すべてのお寺がそういうわけでもないようですが、
このようなトラブルは多いようです。
菩提寺(代々お付き合いがあるお寺)にお墓があるかたは、親族が亡くなったら必ず菩提寺に報告して葬儀をあげたほうがいいですね。
そうでないと、葬儀のやり直しを求められたり、お墓の納骨を拒まれることもありますので。
あとは最近トラブルが増えているのは、菩提寺に了承無く、一日葬や直葬で葬儀をおこなうことにしてしまうことです。
お通夜をすっ飛ばして葬儀・告別式をおこなったり、
火葬式のみにしてしまうケースは近年依頼も多いですが、
仏事の観点からすればそれはイレギュラーな事なので、
菩提寺があるかたは独断で決めないほうが後々トラブルにならずに済むと思います。
現代の仏壇、思ってた以上に攻めたデザインだった!
現代の仏壇もデザインが変わりつつあるんですね。
仏間にででんっと置くタイプのものから
卓上の仏壇を選ぶ人も増加傾向にあります。
確かに、広い家じゃないと生身の人間が住むスペースもなくなりますよね。
結構場所とるんですよ。
それにいくらインテリアをスタイリッシュにしても、
従来の仏壇を置くと雰囲気も様変わりですよね(汗
そりゃそうです、本来おしゃれする為じゃないですから仏壇は。
でも時代は変わってくるもんです。
二度見した仏壇がこちら。
移動式仏壇だそうです。
…仏壇移動させるの!?
テレビCMや新聞に掲載されたリビングで使える現代仏具 徹子の部屋にてテレビCM放送中
とのこと。やっぱ話題になってたんだ…!
なんか郵便受けみたいだけど(^^;
こちらのなごみ工房さん、他にもスタイリッシュな仏壇仏具が置いてあって、
現代の生活に馴染めそうな商品が多かったです。
あとは、これ。
仏壇に慶事色!デザインかわいいですよね。
地域によっては法事の際の仏花の色も気にすることもありますけど、
もはや花の色云々ではないですね。
最近は菩提寺がある人も少ないし、住職が家に来て読経してもらうという機会もあまりないから、そこまで気にする必要がないのかもしれません。
個人的に魅了されたのが、こちらのお店。
洗礼されたスタイリッシュな仏具を取り扱うお店。
古き良き仏壇を好むかたには懐疑的かもしれませんが、素敵ですよ。
おりんとか。
具足とか。
仏壇の形態も変わりつつありますね。
仏壇に骨壺を安置してもいいんですか?と聞かれることがありましたが、
法的にいえば骨壺を仏壇に置いても問題ないのですが、
仏事的にいえば、本来は置くべきではないようです。
仏壇は仏様を祀る場所だから。
それでも最近は自宅安置の需要が増えて、背丈ほどの仏壇などに骨壺安置場所の扉がついていたりする商品も多数売られています。
そんなに大きな骨壺収納付き仏壇ではなくとも、手元供養にと分骨した遺骨を、小さめのポットに入れて仏壇に置く人も多くなりました。
熱心な信仰をされている方以外でしたら、そこまで気にせず、
自分のよりよい生活の為に使えるものを使っていくのはおかしなことではない。
大切な人が亡くなって、辛くて辛くて、立ち直れない人も見てきました。
お墓を作ってあげなくてはと思っているが、遺骨から離れられないと。
大事なのは形よりも故人を想う気持ち、残された人の傷が少しでも癒えること。
そう私自身は思います。
都立霊園 ぶっちゃけどう?
このページは、都立霊園についてです。
知らないかたの為に、都立霊園について簡単に説明すると、
東京都が経営主体となって運営している公営霊園のことです。
都立8霊園
- 青山霊園(港区)
- 谷中霊園(台東区)
- 多磨霊園(府中市)
- 小平霊園(小平市)
- 八王子霊園(八王子市)
- 八柱霊園(千葉県松戸市)←これだけ所在地は千葉
- 染井霊園(豊島区 数年募集なし)
- 雑司ヶ谷霊園(豊島区 数年募集なし)
申し込みには、申し込み資格を満たしている事が条件となります。
- 都内に継続して5年以上住んでいるか?(八柱霊園のみ 松戸市在住の人も可)
- 申し込む人が祭祀の主宰者か?(つまり、喪主や施主か?)
- 現在遺骨をもっているか?
- 改葬骨か?(一度でもどこかへ納骨してたら×。霊園によって一部可)
- 親族の遺骨か?(血族6親等、姻族3親等以内)
など。
申し込み資格は年度によって若干違ってきますので都度確認が必要です。
だいたい募集要項がでるのが6月~7月頃で、申し込み期間も例年その辺りです。
そこから抽選で見事当選して、書類審査なども特に問題なければオメデトウゴザイマースとなります。
公営霊園のメリットとしては、都が運営しているので母体がしっかりしています。
墓所が運営に行き詰まり、無くなるということは考えにくいです。
また、宗教の制限がない。
民間霊園などにある指定石材店制度も無いので、自分の好きな石材店を選択できます。
デメリットとしては、なんといっても抽選(--;
区画の詳細指定ができない(もっと端っこがいいのにぃ!とか、園内から遠い!とか)
多くは再貸付の土地にお墓を建てること。(新規の土地ではなく、前に誰かが利用していたお墓が、墓じまいなどで更地に戻ったものを使用すること。気にされないかたはいいと思います。)
サービスや会食スペースなどが設けられていない点も。
ところで、都立霊園を希望するかたの動機で、都立霊園安そうだから、というのがありますが…
都立霊園、思ってるほど安くないよっ(><)
よく「うちはお金が無いので都立霊園を希望してまして…」といっている方で
いけいけどんどんで見事ご当選されて、いざ建墓!となったときに、
「高ーーーっっ(油汗)」みたいな声をよく聞きます。
辞退されるかたもいます。
例えば、青山霊園は墓地使用料の単価目安として1平米あたり270万円以上します。
3平米の区画が当選したら、墓地使用料だけでも計算するとウヒョーです。
プラス墓石代が別途必要ですからね。広ければ墓石にかかる費用も高くなる。
私のような貧民ばかりではないので、お金持っている人にはどうってことないのかもしれませんが。さすが港区といった感じです。
ちなみに23区外の墓地はどうかというと、
墓地使用料1平米あたりの単価は、85万~90万円が目安です。
プラス墓石代。
ただし、都立霊園は年間費用が安いです。
2~4千円とかです。
メリットとデメリットを踏まえて、自分が希望している墓所で建墓するとどれくらいかかるのかは確認しておいたほうがいいですね。
永代供養墓ってなに?メリット・デメリット解説
永代供養墓というのは端的にいえば、
家族や親族の代わりに、
墓地の管理者が遺骨を永代にわたり管理・供養するお墓のことを指します。
永代供養墓の歴史はまだ日が浅く、
現代のような継承者の問題で利用される永代供養墓は、
1985年の比叡山延暦寺大霊園による久遠墓が始まりとされているようです。
しかし近年では従来の代々継いでいくタイプお墓のから、
墓地の管理者、つまりお寺や霊園の管理者が家族に代わって管理してくれるタイプのお墓の需要が急増しています。
永代供養墓の種類
永代供養墓といっても様々なタイプのお墓があります。
屋内か、屋外か。
個別の納骨か、他人とお骨が混ざるタイプのお墓(合祀)か。
墓石のお墓か、墓石を建てない(樹木葬など)か。
などなど。
それぞれ一長一短があるので、自分にとってどの条件が外せないのか考えてみてください。
屋内の永代供養墓の例としては、納骨堂があげられます。
納骨堂も、ロッカー型・霊廟型のものや、
最近では自動搬送式のタイプも人気ですね。
自動搬送式のタイプというのは、カードをピッとかざすと、自動でお骨が入っている厨子が運ばれてくるものです。
立体駐車場のような形状というとイメージしやすいですかね。
自動搬送式の納骨堂は、いざ建替えのときとかどうなるのでしょうか。
建替えの金額が工面できる墓所でないと、安置場所としては先行きが心配になります。
そのあたりの設備等がしっかりしているかもチェックすべき点です。
納骨堂のほかにも、屋内に一般の石碑型のお墓があるという変わった墓所もあります。
屋外の永代供養墓の例としては、屋外にある合祀墓や樹木葬です。
合祀墓とは、その名のとおり、家族ごとではなく他の人とお骨を一緒に納骨されるタイプの墓で、一般のお墓よりも価格が抑えられる傾向にあります。
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木などをシンボルとしたお墓のことです。
樹木葬も近年では需要が増加傾向にあります。
メリットとしては、通常お墓を建てる時に必要な墓石代がかからないので、一般墓を建てるよりも割安なところが多いことでしょうか。
プレート代など別途雑費が必要な場合もありますが。
また、自然の中で眠りたいという故人の遺志を継いだというかたも多いです。
樹木葬に納骨の場合、合祀されるところから、家族ごとに納骨できるところまで様々です。
数としては合祀されるところの方が多いので、個別希望の場合は別途確認が必要ですね。
永代供養墓の中でも、期限付きの永代供養墓を取り扱っている墓所もあります。
期限付きの永代供養墓は、ある期間だけ墓石での供養をして、期間後は合祀墓へ移されるという仕組みです。
「お墓の承継者がいないのでお墓をずっと守っていけないが、
最初から合祀墓に入るのは抵抗がある」といった要望が多いことから始まったようです。
期間は、3回忌過ぎたらというところもあれば、33回忌・50回忌を過ぎたら、というところまで様々ですが、後々追加料金がかからずに墓石の撤去やお骨の移動をしてくれるところが多く安心です。
永代供養墓の金額
永代供養墓の金額ですが、永代供養墓というひとくくりだけで相場を紹介するのはなかなか難しくてですね。
合祀墓ですと、一霊位10万円以下から契約できるところもあれば、
中には郊外の墓所一件契約できてしまうくらい高価なところもあります。
土地の金額と同じで、地域や大きさによっても様々ですし、寺院にあるのかそれ以外なのか、などによっても変わってきます。先述のとおり、個別納骨か合祀か、寺院の格が高い場合は納める金額も高くなる場合があります。
でもやはり金額は気になるところなんですよね。
永代供養墓の金額を比較するのに一番手っ取り早いのは、
インターネット上の墓所紹介サイトから検索する方法です。
一般的に永代供養墓はいくらなんだろう?という漠然とした不安から解消されると思いますし、契約をした人たちの口コミも書かれているのである程度参考にはなります。
下記のリンクは、永代供養墓を紹介するインターネットサイトです。
家の最寄りで永代供養墓を取り扱っている墓所や、口コミなど情報が得られます。
国内最大級の鎌倉新書が運営するサイトなので情報豊富なのでおすすめです。
永代供養墓で気を付けたいのは、
一度納骨すると、再度遺骨を取り出すことができない場合が多いです。
個別納骨の場合は可能なこともありますが、合祀された遺骨は他の人と混ざってしまっているので、後ほど諸事情により故人の遺骨を取り出したいとなった時にはもう手遅れです。
後悔がないように、永代供養墓へ納骨するお骨とは別に、
少量のお骨を手元供養として取っておくという方法もあります。
そのお話は機会があれば後日。
以上、永代供養墓について書きました。
永代供養墓は一般墓よりも価格が抑えめになる傾向がありメリットがある反面、一度遺骨を納めると取り出せない場合がありますので確認が必要です。
自分の中で優先する条件を明確にしてお墓選びをしてみてください。
墓じまい解説【2】一連の流れ~新しい納骨先の選定
このページでは、
墓じまいの一連の流れと、遺骨の行き先の決め方について説明します。
お墓の引越しの場合もほぼ同じ流れです。
墓じまいの一連の流れ
墓じまいの手順として大きく分けて3ステップを抑えておきたいです。
-
遺骨をどうするのか決める
-
既存のお墓の手続きをする
-
遺骨の新しい行き場所へ納骨する
イメージとしては、家の引越しを思い浮かべるとわかりやすいと思います。
家の引越しも、
引越し先を契約する
→今住んでいる家の手続き
→引越し先に移動
という流れだと思いますが、お墓も似たようなものです。
墓じまいでも、墓の引越しでも、
まずは遺骨をどうするのかを決める必要があります。
最初は何から手をつけていいかわからないですが、
全体の流れを把握すればやることが見えてきます。
はじめに決めていきたいことは遺骨の行き先についてです。
1.遺骨をどうするのか決める
まずは、今あるお墓の遺骨をどうするかを決めます。
選択肢をあげると下記のとおり。
- 新しく従来のお墓を建墓して納骨する
- 永代供養ができるお墓へ納骨する(樹木葬・納骨堂含む)
- 海や山へ散骨する
- 手元供養する
実際に多い選択肢は?
では、墓じまいした人たちは実際に上記のどれを選んでいるかというと、
- 新しいお墓を建てて納骨
- 永代供養ができる墓に納骨(樹木葬・納骨堂など含む)
この2つを選択している人がほとんどです。
散骨や手元供養を選択している人は未だ2割ほど。少数派なんですね。
今後時代も変わり需要も増えてくると思いますが、
散骨や手元供養をする場合のメリット・デメリットも踏まえておいたほうが
後悔がないです。
遺骨の納骨先(霊園・お寺)を探す
どこかへ納骨する意志が決まったら、納骨する場所を探します。
方法としては、
- 広告や口コミで気に入ったところへ直接足を運んでみる
- 地元の石材店を回って希望に合う場所があるか聞いてみる
- インターネットで、お墓の総合案内サイトから資料を取り寄せる←おすすめ◎
などがあります。
直接足を運んでみる → 大事!でも初っ端からは労力が…
絶対にするべきなのは、購入する前に必ず直接足を運び、
どんな環境なのか、アクセスはどうかなど自分の目で確かめることは必須です。
ただし、いろんな墓地をはじめから足を運ぶのは結構な労力がかかりますので、
実際に足を運ぶのは資料集めをして取捨選択してからでも遅くないかなと思います。
地元の石材店を訪ねる → 希望の場所の取り扱いがないことも
地元の石材店を回ってみるのもいいです。
石材店は墓石だけではなく墓地の紹介もしてくれますので。
そして一般墓だけではなく、永代供養墓、樹木葬、納骨堂の紹介もしてくれます。
というかこの受注が近年多いです。
石材店に依頼したからといって、一般墓で建てなくてはいけない、なんてことはありませんのでそこは安心していいかと。
ただし希望の墓地が、地元の石材店で取り扱っていないことも多々あります。
ひとつの石材店に最初から絞らず視野を広げてみてもいいかもしれません。
また、営業の中には売上が低い永代供養墓希望と聞いてあからさまに嫌な顔をとることも無きにしもあらず。
墓地情報サイトから資料を取り寄せる → おすすめ!効率良し◎
とっかかりとしておすすめはインターネットからの資料請求です。
最近はかなり主流になってきています。
申し込みの流れは、
全国のお墓を紹介しているインターネットサイトから気になる墓地を選んで申請フォームから申し込む。
後日気になる墓地の資料を送ってもらえます。
気になる墓地がなかなか決められない場合は、申し込みフォーム入力の時に、希望条件(家から近い、おいくら万円まで、樹木葬で…など)を書いて申し込めば、先方で条件に見合う資料を見つけて送ってくれます。
まずは資料集めから始めて、予備知識をつけてから足を運んで決めるのが効率がいいですね。
おすすめのポータルサイトを2件紹介しておきます。
◇日本最大級のお墓ポータルサイト!全国のお墓が探せる【いいお墓】
テレビでも紹介され軒並み実績が伸びている鎌倉新書の【いいお墓】。
日本最大級のお墓総合ポータルサイトです。
霊園や墓地の資料請求のほか、現地見学やお墓の選び方など、電話やメールで相談にのってもらえます。
なんといっても、インターネットから見学予約し、見学後のアンケートに答えると、
3000円分相当のギフト券が貰えるのが人気のようです。(電話の予約などは対象外)
こちらも前回のお墓を紹介してくれるインターネットサイトです。
組合の加盟石材店から構成されていて、安心感があります。
専門知識がある相談員が電話やメールで相談にのってもらえます。
サイトには、仏事に役立つコラムの連載や、霊園現地調査レポートなど充実したコンテンツとなっています。
現地調査レポートはかなり参考になりますよ。
というのも、サイトに載っている写真は通常奇麗なものを厳選されて撮られていることが多く、見学にいってみるとガッカリするような場所もあります。
この調査員レポートには割とありのままの姿を掲載されていることが多く(笑)、
こんなのもあるんだー!と感激のところから、
あれ、実際こんな感じなんだ…(汗)という見方もできますので、
私自身もいろんな意味で参考にしていました^^;
ぜひ見て参考にしてみてください。
ともあれ、この2件は家にいながら情報を一度に集められるのでおすすめです。
新しいお墓を契約する
こんな感じでお墓を選定し、新しい墓所が決まり契約したら、
墓地使用許可証を発行してもらいます。(または受入証明書ともいいます。)
この証明書は、遺骨を納骨する際に必要になるので、必ず保管しておいてください。
墓じまい解説【1】始める前に知っておくべきこと
最近よく聞く「墓じまい」という言葉。
近年はこの問い合わせが非常に多いです。
墓じまいとは何か?基礎知識、墓じまいの流れ、実践編、気をつけるべき事を書きたいと思います。
ここではまず基礎知識としての説明になります。
※基礎はすっ飛ばして、墓じまいの流れについて進みたい方はコチラ
墓じまいとは?
墓じまいとは、簡単にいうと今あるお墓を処分して、遺骨を別の場所に移すことです。
近年では墓じまいに関する需要が増えているなと感じます。
理由として
- お墓が遠方にあってお参りできない
- お墓を継ぐ人がいない、または継ぐ人に負担をかけたくない
- お墓が2つ以上あるから、1つにまとめたい
などのさまざまな理由があります。
なぜ墓じまいが増えているの?
墓じまいが増えている理由としては、お墓を引き続き管理・維持していく事が困難になる人が増えているからですね。
従来のお墓は、先祖代々のお墓を家族が管理・維持し、継いで守っていく必要がありますが、現代ではそれが難しくなってきています。
管理・維持していく事が困難な理由として多いのが次の2つ。
- 後継ぎがいない
少子化により子どもや孫がいなかったり、女の子で嫁いでいったりなど、お墓の承継者がいないことも多くなりました。
- お墓が遠方である
地方の人口減少も加速し、故郷から離れて生活をする人が多くなったため、遠くのお墓を定期的に管理することが難しくなってきました。
その他、複数あるお墓を1つにまとめたい…などが挙げられます。
そういった悩みをもつ人たちは、従来のお墓を処分して、
家族が管理しなくても済む場所に遺骨を移動させる一連の手続きを墓じまいと呼んでいます。
「今後お墓を持たなくていいんだー♪」とは限らない
墓じまいというと、「じゃあ今後お墓を持たなくていいんだ!」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そうじゃあないんです。
遺骨を捨てるわけにはいかないですからね…。
墓じまいした後の遺骨の移動場所は予め決めておかなくてはいけないです。
遺骨の移動場所の選択肢として、
- 永代供養墓を購入し納骨する
- 山や海へ散骨する
- 手元供養(自宅保管)する
などがあります。
その中で、墓じまいをした場合の遺骨の移動先は、
永代供養墓を購入して納骨する が一番多いという調査結果があります。
お墓を持たずに墓じまいをする方法もあります。
これについてはまた詳細を書きたいと思います。
「墓じまい」と「お墓の引越し」の違い
先述では、墓じまいしても遺骨の移動場所は決めておかなくてはいけないと書きました。
え!じゃあ、お墓の引越しと同じでしょ!どう違うの?
という疑問を持たれるかたもいます。実際よく聞かれました。
※「墓じまい」の言葉と引き合いに出されるものとして「お墓の引越し」があります。お墓の引越しも、今あるお墓を撤去して別のお墓へ移ることを指します。
墓じまいとお墓の引越しの違いについてですが、明確に決まった言葉の定義の違いはありません。
使い分けをするとしたら、
お墓の引っ越し・・・家からお墓が遠いので、近くのお墓に移す
墓じまい・・・お墓を継ぐ人がいないから処分する
つまり、今後もお墓の継承者がいるのかいないのかで言葉を使い分けることが多いです。
お墓の引越しと墓じまいは、一連の手続きの流れはほぼ同じなんです。
そして、墓じまいはお墓の引越しの流れの一部分である、と考えてもらって差し支えないんじゃないかなと。
お寺の壇家から墓じまいを考えている人
現在お寺の境内にお墓があって、檀家になっている人は、墓じまいの手続きを始める前にやるべきことがあります。
お寺のご住職にはご相談という形でもいいので、「ゆくゆくは~」と墓じまいを考えている旨を事前にお伝えしておいてください。
お寺が先祖の供養をしているのは何も法事のときだけではなく、毎日読経したりなどお勤めをされています。
寝耳に水の如く「墓じまいすることに決めました!来月退去しますんで」とは言っても、ご住職も人ですから、あまり良い気分にはならないですよね。
離壇にあたり高額な料金を請求される場合もあるようです。(そう多くはないですがね)
また後述しますが、墓じまいには現在の墓地の管理者から書類をいただく必要がありますので、滞りなく進めるためにも良い関係性を維持したいところです。
ここはしっかり事前に準備する必要があります。
以上を踏まえて、納得のいく墓じまいを進めていってもらいたいと思います。